ママ'S STORY
アキが綴る
インタビュアー:あき
県外から福山市に引っ越してきて、子育てについて気楽に話ができる人が周りにいない環境に。
そんな中、mamanohibiで出会うママ達の
「それぞれの子育てや生き方を聞いてみたい!」という好奇心を活かして、mamanohibiに集う一人一人のママをご紹介。本を読むこと、
植物を育てること、散歩が趣味の一児の母。
〜mamanohibiに集うママ達、それぞれのストーリー〜
BACK NUMBER
STORY2
さやかママ「前進を止めない子育て」
「できることが増えると嬉しい」
自分のことも、子育ても、
やりたいことにまっしぐら。
ママ’S STORY 2人目はサヤカさん。
6歳と3歳のお子さんを持つ、2児のお母さんです。
サヤカさんはとにかく「料理が好き!」
今のお仕事は、老人ホームでの調理スタッフ。
ママの日々でも
「市の離乳食講習会では教えてくれない事」
をテーマにした離乳食の会を開催したり、
インスタグラムには
カラフルなレシピや料理動画がたくさん!
日々、適当な配分で作っているわたしにとっては
レシピに書き起こす、ましてや動画にするなんて
絶対にやらないことだけに
「なぜそんなことができるのか?」
がとても気になり
お話を伺ってきました
「とにかく、楽しく食べたいんです」
「料理って目からの情報が9割なんです。
自分のテンションをあげるためにも、
見た目も楽しい方がいいじゃないですか。
特に今はコロナで出かけられないから、
家で食べる時も外食のようにしたいなって思うんです」
将来の職業としてパティシエを
考えていたこともあるサヤカさん。
料理の中でも”おせち”のような
きれいに盛り付ける料理が
特に好きなんだそう!
「日頃のご飯もレモンの輪切りを添えたり
ネギを散らしたりなど
見た目が楽しいように工夫しています」
「でも、日々仕事に育児に忙しい中、
ネギなんか切ってられるか!
というときってありますよね?」
と聞くと
「そんな時はネギをハサミで切ったり
切られた状態で売っている刻みネギを使ったり、
"見た目を楽しくする"工夫をしています」
そこまで料理を好きになった
理由はなんなのか
「17歳で母を亡くしたんです。
それまで料理はしたことがなく
そこではじめて、小さじを握ったほど。
でもそのことがかえって
大きな影響を与えたんでしょうね」
進路を決めるとき、
なんの取柄もないと思っていたところに
ふと「夕飯何にしよう」「この料理きれいだな」と
料理のことばかり考えていることに気づき
「わたし、料理が好きなんだ」と
栄養学を学べる学校へ。
そしてそれが仕事や
いまのパートナーとの出会いにも繋がったので、
サヤカさんにとって
「料理のない人生は考えられない」とのこと。
サヤカさんの中では
料理は、お母さんや自身の生き甲斐に
繋がっているのでしょうね。
そんなサヤカさんから、料理の見た目を楽しくする
ポイントを3つ教えてもらいました。
大事にしている盛り付け3か条
1.料理に「赤•黄•緑」を入れる
例えば赤はパプリカ、トマト、ケチャップ、人参。
黄色は、卵、かぼちゃ、レモン、など。
その他、刻み海苔、胡麻、青紫蘇などの
薬味も活用すると
彩り+味のアクセントも加わっていいのだそう。
なるほど。自分である程度
「定番」を持っておくとよさそうです。
2.盛り付けは「真ん中を高く盛る」
高く盛ったてっぺんに刻みネギ等の
薬味を乗せたりするとさらに◎
3.盛り付けは「ワンプレート」で
ワンプレートにすると全体が見え
彩りに必要な色が見えてくる
「彩りをよくすると、自然とバランスの取れた
食事になっちゃうのも不思議なところです」
サヤカさんが長年の試行錯誤の中
見出した技をグッと絞った3ポイント。
少しずつ取り入れてみます!
「畑を教材に、
子どもの”表現する力”を伸ばしてあげたい」
そんなサヤカさん、最近畑を始めました。
その際、ママ日々会員にも声をかけてくれ
現在5人ほどが参加し『ママファーム』がスタート。
わたしもそのひとりです。
「料理が好き」という理由から
「食べるものは自分で作ってみたい」
という究極に至ったのかなと思いきや
「それもあるけど、一番は
"子どもの表現力を伸ばしてあげたい"ということです」
これから生きていく上で、
自然に触れた経験や、
与えられたものではなく自らの問いをつくり、
答えを見つけ出すことの大切さを
子どもの成長に触れるにつれ
感じるようになった、といいます。
それで思い至ったのが「畑」
もともとご家族が畑をされており
「土地はあるし、サポートもある」
と思い切って始めてみたのでした。
さらに、
雑誌で見かけ気になっていた
「菌ちゃん野菜作り」
をこの際、実践してみよう!と
生ゴミ土づくりや
薬や化成肥料をなるべく使わない
やり方をあれこれ模索中です。
「結果として全く採れなくても
"枯らしちゃったね~"でもいいんです。
子どもたちが何を経験するかを
大事に考えたいと思っています」
「子どもが育ち、大人も育つ場所」
そんなお母さんの想いがつまった『ママファーム』
大人のわたしたちも
行く度に沢山の発見があります。
いろんな種があること、
土の種類や水やりのタイミング、
植物の生育過程・剪定の仕方。
体を動かすことの心地よさ、
みんなで作業することの楽しさ。
サヤカさん、
声をかけてくれてありがとうございます!
サヤカさんをみていると
「続かないかもしれない」
「失敗するかも」
「もうちょっと勉強してから」
という心配よりも、
「新しいことに出会える!」
といった好奇心が勝っているみたい。
「できることが増えると嬉しいんです」
そういって一つ行動を起こしては
次の行動に繋げていくサヤカさん。
人生トライ&エラー、
そんな軽やかな心を教えてもらった気がします
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
畑の活動の様子は
ママ日々会員インスタグラムの
#ママファームで発信中です!
https://www.instagram.com/log_by_mamanohibi_member/
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
サヤカさんプロフィール
ぱっと見の印象は、のんびりほんわかしているのですが、
「とにかく気になったらやってみる!」な行動派。
元教師。結婚を期に退職。現在は施設の調理スタッフや病院の栄養士としてお仕事中。
◎これからやってみたいこと
冷蔵庫にある余り食材を活かしたごはん、
糖尿病・腎臓病・アレルギーがある人のごはんなど、
忙しいお母さんや在宅介護の人の助けになれるような活動
STORY1
ゆきママ「自分を大事にする子育て」
ゆきママ「自分を大事にする子育て」
福山市在住のユキさん。
現在、エステティシャンとして働きながら、小学生と幼稚園児の
2 児の子育てをされています。
そしてお家の片付けをサポートする「お片づけニスト」の活動を
新たにスタートされたりなど、
とてもエネルギッシュなお母さんです。
そのエネルギーの源や、ユキさんを動かしているものは何なのか。
今回、ユキさんに子育てについての考え方やされている工夫、
仕事との両立などを伺いました。
「家族を守るために、自分を守る」
「家族は社会の最小単位で、子どもにとっては
基盤になる関係だと思っています。
だから、パートナーへの接し方も
ぞんざいにならないように気をつけていますし、
兄弟は仲良くあって欲しいから、
上の子にも(お兄ちゃんだからとかではなく)優しく接するように心がけたり。
そのためにはやっぱり自分に余裕がないとって思うんです。
それが結局、家族を守ることに繋がるんじゃないかって」
子どもは、自分の考えがうまく伝えられなかったり、
やりたいことができずに泣いたり、
それでも自分で気持ちを切り替えてころっと笑ったり。
それがとてもかわいいのですが、
ずっと一緒にいると感情の変化についていけず
戸惑ったりイライラしたり,
自分の感情のコントロールに悩むお母さんは
多いのではないでしょうか?
ユキさんはそんな時、
自分の余裕を取り戻すために3つの対処法を使うのだそう 。
まずは「深呼吸」
もともとヨガをされており、免許なども取得しているユキさん。
少し精神論にも捉えられがちな「呼吸」ですが、
科学的にもきちんと理屈があると言います。
「深呼吸といっても”短く吸って長く吐く”ことを意識し、
肺を使うのがポイントです。肺は臓器の中でも
唯一能動的に動かせるもの。
そこを使うことで副交感神経が刺激され、
落ち着く、という仕組みです」
次に「6秒ルール」
こちらは知っている方もいらっしゃるかもしれませんが、
心理学のアンガーマネジメントの一つ。
6秒以上経っても残っている「怒り」は、
初めの怒りをきっかけに自ら作り出しているもの。
だから、6秒以上は怒らないようにしようと決めているのだそう 。
そして最後に「触れる」こと
「”子どもとのスキンシップは大事”とよく言われますが、
これにもちゃんとした理由があります。
触れることでその箇所から女性ホルモンが出て、
心を落ち着かせてくれるんです。」
こうやって、「方法」と「その理由」をセットで知っておくことで、
つい感情的になってしまっても理論的な頭に切り替えることができます。
「それでも落ち着けなかったらとりあえず離れるようにしています。
子育てはいつになってもずっと初めての状態。
完璧になることはありません。
だから子どもにもそれを素直に伝えています。
”お母さんもできないんだよ”って。
とにかく自分の気持ちを大事に。
そうでないと、子どもも 大事にできませんから」
「視野を広げることが
自分を高め、いい出会いを作る」
ユキさんは広島県のご出身ですが、
ご両親のお仕事の関係でいくつか他県を転々と移動したあと、
再び広島に戻ってきます。
「転勤先は都会も田舎もありました。
いくつかのまちに住んでみて思ったは
“どこも大して変わらない”ってことですね。」
今や全国チェーンのスーパーがどこにでもあるし、
ネットで買うこともできる。
それと同時に「自分が輝いてさえいれば、
どこにいてもいい人とは必ず巡り会える」
という確信がユキさんの中に生まれました。
「大学でアーチェリーをしていて、いろんな世代の方々と
交流する機会が多かったのも良かったと思います。
自分の世界が広がったというか。
そこで今のパートナーとも出会いました」
10年前、結婚を機に福山市に引っ越すことに。
それまで勤めていた管理栄養士の仕事を辞め、
その後お子さんが生まれたのもあって、
しばらく専業主婦として過ごします。
そして下のお子さんが幼稚園に通い始め
自由な時間ができたことから
エステティシャンの仕事をスタート。
「初めは、在宅で
管理栄養士の仕事をしようと考えていました。
そんなとき”エステティシャンをやらない?”と
友人から声をかけてもらって。
もともと美容業界には興味があったし、
希望の時間 で仕事ができるし
研修制度もあるということでやってみようかなと。
全く前職と関係のない仕 事で迷ったんですけどね。
今は仕事が楽しくて。一歩踏み出してよかったって思います」
そして、最近始められた「お片づけニスト」活動。
ちなみに「お片づけニスト」というのは、
ユキさんオリジナルの肩書き。
資格があるわけではなく日頃から
「もっと家事を楽にしたい」と取り組んでいる日常の工夫や理論を
体系立てて人に伝え られるようにノウハウ化したものがベースになっています。
「家事の工夫とかを話したら、
友人が”だったらこういうのやってみれば?”と提案してくれて。
あ、いいかもって。
わたしが身をもって実践してきた片付けの考え方を伝えることで、
お母さんたち がもっと楽になればいいなって思ったんです。
収納系の資格はいくつかありますが、
やりたいこと を考えたときにまだいらないかな、と思って。
自分で肩書き決めちゃいました。
今は、知人・友人 に対して
お片づけのお手伝いを始めてみているところです」
とにかく動くことを恐れない「やってみよう精神」。
それは、子どもの頃の転勤の経験や
大学時代 の多様な価値観の人との交流から、
ユキさんの中に根付いているものなのでしょう。
だから大人になった今も、
家族でもなく友達でもない「第三の場所」の存在がとても大事だと言います。
「仕事でも趣味でもいいんです。自分の視野を広げる、
決まった関係の中だけに留まらない。
これが子育てをする上でも自分を輝かせる上でも、とても大事だと思っています」
「家事は、家族みんなができる仕組みを作る」
育児に、エステティシャンに、お片付けニストに。
自分を大切にするためにも、
活動の幅を広げているユキさんですが、
そのためには必然的に
ご自身の時間を作る必要がでてきます。
それには、
パートナーやお子さんの協力が欠かせないといいます。
「家のことは”できる人ができる事をする”というのが、
うちのスタンスです。
パートナーはもちろん、子どもたちにもできることはしてもらいます。
家事を上手にやるということは
将来、社会に 出て仕事をする上でも役に立つことだと思っているので
教育の一環としても捉えています。」
洗濯に掃除、食事を作って、食器を洗って・・・。
「名もなき家事」という言葉があるように、
家事はほんとうにいくつもの細かい作業の連続で、
しかもそれらを同時並行で効率よくやっていかなければ、
なかなか終わりません。
ユキさんは
「そこに取捨選択の判断や整理整頓をする力が生きてくる」
と言います。
「仕事でも、何が必要で何がいらないのか、
何を優先的にすべきなのか、その順序など
"どうした ら効率的か(ラクか)"を考えながら取り組みますよね。
家事も同じです。
その”ラクなやり方”を仕組み化し、
ルールを明確にすることで家族みんなで分担できる。
そうすればみんなの時間に余裕が生まれて、
家族の団欒やそれぞれの趣味に当てることができます。」
どうしても、家事はお母さんが一人で抱えがち。
そこには、自分のやり方があったり
「やって」とお願いするより一人でやる方がラク、
ということもあるかもしれません。
でもそこにちょっとだけ手間をかけて
家族みんなでできるやり方を探してみる。
何も仕事のように完璧にする必要はなく、
それぞれの家族の「いい塩梅」を見つける。
そうして「自由な時間」を少しずつ増やし、気分転換や自分磨きに当てる。
それは育児へのモチベーションにもプラスに働くのではないでしょうか。
こういった毎日の生きた経験が、
ユキさんの「お片づけニスト」への道につながっていたのですね。
ちなみに、いまのユキさんの趣味を伺うと「読書」「料理」そして「キャンプ」 。
「キャンプは防災の意味もあって始めました。
便利じゃないものに触れたり不便さを感じたり、
でもその中でどう工夫するか。それがとても面白いです」
「子育てで自分を磨く」
子育てをしているとどうしても世界が狭くなったり、
感情的になりがち。
でもそれをバネに考え方の工夫をしたり、
第三の居場所を手にしたり、
そのために時間を作る工夫をし、
それが仕事にもつながっていく。
視野を広げ行動することで前へ前へと進んできたユキさん。
その根底には「自分を大事にする」ということが
常に流れていました。
これからの「お片づけニスト」とし ての活動も
どのように展開されていくのか、とても楽しみです。
© 2021 NPOmamanohibi
お話を伺ったママ:ゆきさん
文:あき